Modularity#
モジュラリティとは#
モジュラリティは、ランダムに結合されたネットワークとの系統的な偏差によって、分割の質を測る指標である。
\(N\)個のノードと\(L\)個のリンクからなるネットワークを\(C\)個のコミュニティに分割することを考える。 コミュニティ\(c\)は、\(N_c\)個のノードと\(L_c\)個のリンクを持つ。
部分グラフ\(g_c\)がコミュニティであるかを測る指標として、
を求める。ここで、\(A_{ij}\)は隣接行列の要素であり、ノード\(i,j\)間にリンクが存在するときのみ1をとる。重み付きネットワークの場合、\(A_{ij}\)はその重みとなる。 \(p_{ij}\)は、各ノードが結合されるノードをランダムに選ぶと仮定するとき(Configuration model)、ノード\(i\)(次数\(k_i\))とノード\(j\)(次数\(k_j\))の間にあると想定されるリンクの数であり、
と表される。ノード\(i\)がノード\(j\)の\(k_j\)本のリンクとつながる確率は\(k_j/2L\)であり、ノード\(i\)の次数が\(k_i\)であることから、\(p_{ij} = k_i \times k_j/2L\)となる。
\(M_c>0\)のとき、\(g_c\)はランダムに結合されたネットワークに想定されるよりも多くのリンクを持つことになり、モジュラリティの値が高いほど良い分割を意味する。 \(M_c=0\)のとき、\(g_c\)はランダム時と同程度の結びつきであり、\(M_c < 0\)のときは、コミュニティになり得ない。
上の式から、\(M_c\)はコミュニティ\(g_c\)内のノードの総次数\(k_c\)を用いて、以下のように変形できる。
以上をまとめると、ネットワーク全体を\(C\)個のコミュニティに分割するとき、この分割のモジュラリティは、各コミュニティの\(M_c\)の総和
によって定義される。
References#
Albert-Laszlo Barabasi, “Network Science”, 第9章 コミュニティ.